長年のキャリアを持つ神戸のAYAさんの東京講座に行きました。
三層の紫根石けんを教えていただきました。自然に退色していく紫根色を残しつつ、色味を足してその変化を楽しむ方法を提案してくださいました。
植物から色と成分を抽出して油の中に閉じ込め、本来の植物の命をまた新たなかたちに創り変える試みの歴史も学びました。
一人でただ本を読んだだけの知識は、必要感がなければ忘れていくものですが、手を動かし、色を見、香りを加える作業が伴うと、経験として自分の中に蓄えられていくものだと実感しました。
まして、AYAさん独特の声やテンポや雰囲気がプラスされる中で学ぶのは、実習講座の醍醐味ではないでしょうか。
AYAさんが色を味わうように見、香りを聴くように楽しんでいる様子から、AYAさんの感性の深さを感じます。ピアニストですしね。
石けんを作り、AYAさんという個性で出来た器にのせるとそれだけでひとつの世界が出来上がる感じです。
AYAさんはその自分の個性を、まるでエッセンシャルオイルのように石けんに投入しているかのようです。
これが、うわさに聞くAYAさんワールドなのでしょう。
今はたくさんのすばらしい石けん作家さんがいて、新しいスタイルで仕事をなさっているなか、あえて自分が教えることに意味があるのかと思ったりしていましたが、同じレシピ、同じデザインで石けんを作っても、出会った人たちと反応してその都度、その時でしかできない何かがあるのかもしれません。
それはまるでレシピに書けない、どこにも売っていないエッセンシャルオイルのようです。
十分楽しんで、十分学んでその時にしかできない石けんを作ってみたいものです。
AYAさん、ありがとうございました。勉強になりました。